母「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

母に旅立ちを催促された勇者は、2年間の引きこもりであり母にひどい言葉で悪態をつく。
しかしその翌日勇者は、遂に旅立つことにしたのであった。

引きこもりだった勇者は、戦士・魔法使い・僧侶を仲間として魔王打倒の旅に出るのであった。

三部作+番外編の物語の第一部です。


母「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」
妻「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」
英雄「雨も止まないし掃除でもするかな」

1: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:32:13.74 ID:GBq03f2U0
勇者「うるせーよ早く飯もってこいババァ!!!」

母「ひぃいごめんなさい勇者くんっ」

バタンッ

母「うぅう・・・」

2: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:33:05.05 ID:GBq03f2U0
勇者「もう2年も家でてないんだなぁ」

勇者「部屋のカーテン、いつから開けてないかな」

勇者「ゲームも飽きてきたしなぁ・・・」

勇者「そろそろ外でないとな・・・」

3: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:33:52.40 ID:GBq03f2U0
母「夫も旅立ったきり戻ってこないし」

母「危険な旅だろうから無理には言えないわよね」

母「でも、勇者としてでなくとも、少なくともまっとうに外に出て働いて欲しいわ」

母「あら?勇者くん、どうしたの?」

勇者「うるせえ風呂だよ風呂」

5: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:35:08.33 ID:GBq03f2U0
勇者「ふぅ・・・3日ぶりの風呂か」

勇者「・・・俺こんなんでいいのかな」

勇者「親父はあんなに怠け者だったのに、勇者に任命されてからは体鍛えて」

勇者「立派に旅立ったんだよな・・・」

勇者「勇者っていったら、モンスター退治して、人を守って、本当なら憧れの仕事だよなぁ」

ザパァ

勇者「頑張ってみるかなぁ」

7: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:36:25.08 ID:GBq03f2U0
<翌日>

母「あら?外に出るの?」

勇者「・・・」

母「ちょっと、もしかして仕事見つける気になったの?」

勇者「うるせーよ」

母「道具屋のバイトなんかどうかな、でもいきなり接客は大変かな?」

勇者「うるせーって」

母「勇者くん、意外と力あるんだから防具作りの見習いなんてどうだろう?」

勇者「だからうるせーって!!!」

8: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:37:06.00 ID:GBq03f2U0
勇者「旅立つんだよ」

母「!!!」

勇者「じゃ、仲間はとりあえず酒場で探すから」

母「・・・ちょっと待ってて、お弁当作るから」

勇者「いらねーよそんなもん とりあえず金くれよ」

バタンッ

勇者「眩しっ」

9: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:37:44.90 ID:GBq03f2U0
<酒場にて>

勇者「とは言うものの、勇者に任命されてから2年も放置してたしなぁ」

勇者「まだ仲間募集してるかな」

マスター「はい、どうしましたお客さん」

勇者「旅立つんで、仲間を選びたいんですが」

マスター「・・・えっと4回前の勇者さんでよろしいですか?」

勇者「へ?」

11: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:40:52.76 ID:GBq03f2U0
勇者「そうか、もうそんなに勇者が旅立っていったんだな」

勇者「強い仲間はほとんど既に旅立ったって話しだし・・・」

勇者「とりあえず、いる奴仲間にしよ」

勇者「さて、どんな仲間がいるのかな」

戦士「コポォwwww フヌカポォwwww 魔法使いタソ萌えぇぇぇwww」

魔法使い「愛と希望のラブリーマジック☆ あなたのハートにイリュージョーン☆彡」

僧侶「つーかー、この街から旅立った勇者一行って誰も戻ってきてないんでしょーダリー」

勇者「・・・」

12: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:42:44.57 ID:GBq03f2U0
勇者「とりあえず形だけ旅立って仲間と青春してパーティー内で恋人とかできちゃって」

勇者「とか考えてたけど甘かったサーセン」

戦士「ドゥフwww まず武器屋いきます?ww」

魔法使い「えぇー武器とか怖いですぅ」ブリブリ

僧侶「ウチさー服屋の方がいいんだけどー」

勇者「・・・もういいです」

勇者(ただでさえコミュ障気味なのにこのメンツってどうなのよ)

13: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:44:39.87 ID:GBq03f2U0
<武器屋にて>

戦士「オウフww これはマルノコフ産地で取れた銅を使った剣ですなぁwww」

魔法使い「へぇ~戦士くん詳しいぃ~」

戦士「なにせ武器ヲタ歴12年ですからブヒヒヒヒwwwww」

勇者「とりあえずその剣2本で」

15: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:47:21.71 ID:GBq03f2U0
<防具屋にて>

僧侶「ここで服買うとかマジウケルー ファッションのファの字もねーじゃん」

魔法使い「そうですよぉ~可愛いお洋服がぜんぜんないですぅ」ブリブリ

勇者「とりあえず革の服4着で」

戦士「勇者殿、羽振りがいいですなぁwwwwwwウヒ」

勇者「あぁ、かあ・・・ババァにせびったw」

勇者(それにしても旅立ち資金、ちゃんと取ってたんだな)

17: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:49:19.40 ID:GBq03f2U0
<フィールド>

モンスターが現れた!

戦士「ウヒwww あれがこの地一帯に生息する最弱モンスターですなww 拙者にまかされよwwww」

魔法使い「戦士くんがんばってぇ~」

ベチッ

戦士は12のダメージを受けた

戦士「フヒィもうだめでござんすwwwwwwケホッ」

僧侶「ふー」

勇者「僧侶!タバコ消して戦士の回復!」

僧侶「なんかー学校で習ったけど忘れたー」

勇者「・・・」

18: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 21:54:13.26 ID:GBq03f2U0
勇者「なんとか今の相手からは逃げられたが」

勇者「この俺が、2年間引きこもってたこの俺が最大戦力ってどういうことだよ!」

勇者「こんなに弱いパーティーじゃ、つぎの街にもいけねぇよ!」

戦士「す、すまぬぅぅぅ」

勇者「こんなに弱かったらなぁ・・・たとえば珍しい武器が眠る洞窟にも」

戦士「!」

勇者「おしゃれな服が揃った都会にも」

僧侶「!」

勇者「将来のファンになってくれる奴らがいる場所にも」

魔法使い「!」

勇者「どこにも行けないぞ!」

一同「!!!」

かくして俄然やる気になったこのパーティーはおもむろに修行をはじめるのであった

21: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:00:33.13 ID:GBq03f2U0
1週間後

勇者「さて、本気になって1週間やったんだ、そろそろ次の街を目指せるだろ」

僧侶「修行とかマジだるかったー」

魔法使い「でもぉ4人とも強くなった感じがします♪ ね、戦士くん?」

戦士「うむ」

22: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:01:17.23 ID:GBq03f2U0
モンスターが現れた!

勇者「この前はさんざんコケにしてくれたなぁ」

戦士「下がっているがよい、私の凍てつく剣が奴の魂を混沌へと誘うであろう」

戦士の攻撃 モンスターに3のダメージ

魔法使い「やったぁダメージを与えられましたね♪」

僧侶の攻撃 ビタン モンスターに5のダメージ

モンスターは倒れた!

僧侶「てかーなんで僧侶のウチが戦士より攻撃力あるわけー?」

勇者「しー! しー!」

戦士「・・・」

魔法使い「それにぃ勇者様はなにもしてないですぉ~?」

勇者(・・・お前もな)

25: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:05:20.30 ID:GBq03f2U0

<第2の街にて>

勇者「ついに来たぞ第2の街!」

戦士「ドゥフwwwここは美食の街でありますwwww」

勇者(キャラが戻ってやがる・・・)

僧侶「なんでもいいけどー腹減ったー」

魔法使い「わぁぁ甘いものいっぱい食べたいですぅぅぅ」ブリブリ

26: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:06:07.49 ID:GBq03f2U0
店主「申し訳ございません」

勇者「材料がない・・・だと・・・」

店主「この辺りに巣食うイノシシモンスターが大量発生したせいで・・・」

僧侶「マジ意味分かんねー マジおこなんだけどー」

戦士「ここは拙者たちの出番ではなかろうかwwwwwコポォwww」

魔法使い「そぉですね~スイーツのためにも頑張りましょぉ~」

店主「おお! さすが勇者様御一行! イノシシモンスターは街を出てすぐの山地に生息しています」

27: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:08:32.30 ID:GBq03f2U0
<イノシシの山地>

勇者「一体ずつならなんとか倒せる・・・ここに来るまでにだいぶんレベルが上がったからなぁ」

僧侶「つーかー、ここにいる奴ら全部倒してたらキリがないっていうかー」

魔法使い「たしかにぃ、この子たちの親分さんをやっつければいいんじゃないですかぁ?」

戦士「ヌホォwww それはあやつではありませんかwwwwフホォwwww」

巨大イノシシモンスターが現れた!

勇者「・・・・・・・・・・でか」

僧侶「いやマジこれは無理っていうかー、逃げたほうがいいんじゃねー?」

魔法使い「プルプル・・・」

巨大イノシシモンスターの攻撃! 全体に30のダメージ!

28: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:10:05.13 ID:GBq03f2U0
勇者「ぐふっ」

僧侶「あぁっ」

魔法使い「ふぇぇ。。。痛いですぅぅぅ泣」

戦士「フヌカポォォオオォ~~~~~~」

巨大イノシシモンスターは突進の構えをした!

勇者「やばいこれは本気でやばい・・・・」

29: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:14:05.61 ID:GBq03f2U0
ドスッドスッドスッ

勇者「みんな伏せろぉぉぉぉ」

?の攻撃! 巨大イノシシモンスターに580のダメージ!

巨大イノシシモンスターは倒れた!

32: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:19:28.96 ID:GBq03f2U0
勇者「あれ・・・?」

僧侶「・・・は?これあんたがやったの?」

魔法使い「す、すごいですぅぅぅ勇者様!」

僧侶「フヌゥwwww さすが我らの勇者殿ですなぁドゥフフwww」

勇者「いや・・・まぁ・・・」

33: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:20:14.03 ID:GBq03f2U0
店主「おお! さすがは勇者様御一行! ささ、存分に料理を召し上がって行きなされ!」

僧侶「うまー」

魔法使い「わぁぁ美味しいですぅ♪」

戦士「コポォwww これはマダケキノコを使ったスープですなwww 材料の良さを引き出してますなぁwwwwwwヌフゥ」

勇者「・・・・・」

34: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:22:55.29 ID:GBq03f2U0
<宿屋にて>

勇者「一部屋お願いします」

僧侶「はぁ?二部屋に決まってんだろー?」

勇者「いや、金かかるし」

魔法使い「男の人と一緒の部屋で寝るんですかぁ~怖いですぅ」ブリブリ

戦士「フヌフヌフヌゥwwwwwハァハァwww憧れの魔法使いタソと同部屋とはヌホホホホォwwwww」

受付「でしたら、部屋の中でカーテンでも引いて区切れば」

36: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:25:15.09 ID:GBq03f2U0
僧侶「てめーら絶対こっち入ってくんじゃねーぞ!」

勇者「うるせー誰が入るか!」

魔法使い「夜中にぃ勇者様や戦士くんに襲われちゃったらどうしよぉ」フルフル

戦士「ヌゥウウwwwコポコポォォォォォwwwwww」

37: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:26:55.98 ID:GBq03f2U0
勇者「眠れないな」

勇者「それにしても、あれは誰だったんだ?」

勇者「なんとなく見覚えある背中だったな・・・」

勇者「それにしても、勇者って楽じゃないなぁ・・・今日もあの人に助けられなければってはぁ?」

僧侶「すぅーすぅー」

戦士「トイレに立ったあと寝ぼけて勇者殿のベッドに来てしまったパターンktkrですねwww」

勇者(起きてたのかよ・・・)

僧侶「・・・パパ・・・ムニャ」

40: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:30:38.03 ID:GBq03f2U0
<フィールドにて>

勇者「うりゃぁ」ザクッ

戦士「フヌゥwww」バシッ

魔法使い「えいっあなたの心も燃え上がれぇ~火の呪文!」ボッ

僧侶「ほら、早く戦え! 攻撃増加呪文!」パァッ

42: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:32:07.12 ID:GBq03f2U0
勇者「なんか、いつの間にか俺たち強くなってきてないか?」

僧侶「だってー強くなんなきゃ次の街行けないしー 次の街ってファッションの街だから行きてーしー」

魔法使い「きゃぁ可愛いお洋服いっぱい買いたいなぁ♪」

戦士「オウフww あの木の下でしばし休憩せぬかwwwwコフゥww」

43: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:32:55.56 ID:GBq03f2U0
小高い丘の上に生えた一本の木下で

魔法使い「それにしてもぉここまで旅してきたのに皆さんのこと全然知れてませんぉ~」

戦士「それではなぜこうして今の職についているか自分語りでもしますかなクパァコポォwww」

戦士「拙者は幼少から武器ヲタ乗り物ヲタ、ドルヲタ道(もちろん今は魔法使いタソ推し)に精進しておったwwwヌホホwww特に武器が好きで、戦士になったら武器と触れ合う機会が多いかと思い今に至るのであるヌホォwww」

魔法使い「わたしはねぇ~ちっちゃい頃から憧れてるアイドルが魔法使いさんだったからぁ、あたしもあんなふうになりたいなぁって思って♪」

勇者「俺は・・・小さい頃から平凡に育ってたんだけど、親父が街から勇者に任命されて旅立って・・・で、俺も任命されたから2年の準備期間(笑)を経てこうして旅立ってるw」

魔法使い「じゃぁ、次は僧侶さん♪」

僧侶「はぁ・・・」

44: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:35:33.54 ID:GBq03f2U0
僧侶「ウチはずーっと親戚の家に育てられたんだけど、ぶっちゃけ居心地悪かったわけ」

僧侶「ウチ、意外かもしれないけど昔は真面目ちゃんだったんだよw だから僧侶の学校に入って」

僧侶「でもなんか途中で心が折れちゃってさ 良い子にしてるのが嫌になっちゃって」

僧侶「それからバイトに明け暮れて、僧侶の学校も途中で辞めちゃった」

僧侶「だからウチ、旅立つまでは小回復すらできなかったし」

僧侶「でも、なんかノリで旅立ってから勉強して、独学で魔法覚えてるんだよね」

僧侶「まぁなんかやる気になったっていうかー楽しいからいいんだけどー」

45: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 22:38:05.63 ID:GBq03f2U0
勇者「・・・ご両親は?」

僧侶「ウチが生まれてすぐ両方死んだってさー」

戦士「な、なんとぉ・・・ウヌヌゥ」

魔法使い「グスン・・・僧侶さん。。。。」

僧侶「ってか暗くしてごめんねー はやく次の街行こうぜー」

勇者「・・・母さん」

50: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:01:00.80 ID:GBq03f2U0
<第3の街にて>

魔法使い「うわぁ可愛いお洋服がいっぱい♪」

僧侶「ちょっとさーうちら別行動でいいかなー?」

勇者「どうぞどうぞ」

戦士「拙者たちは先に宿へ向かっておるwwwフヒッwww」

51: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:01:49.82 ID:GBq03f2U0
勇者「お前がなんで戦士になったのかずっと疑問だったんだw」

戦士「ヌホホwwwスマソwww」

勇者「勇者と違って任命されるわけでもないのに、ヒョロヒョロのオタクがなんで戦士?ってw」

戦士「言うなぁwww 拙者も旅立ってから少しは鍛えておるww 見よこの筋肉wwwwヌフッw」

勇者「おっ、ちょっとは体変わってるなwちょっとはw」

戦士「フヌカポォwwwwww」

52: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:02:46.28 ID:GBq03f2U0
魔法使い「僧侶さん、このお洋服なんかどうですかぁ?」

僧侶「いいんじゃなーい」

魔法使い「可愛いわたしにはどんなお洋服も似合っちゃうんですよねぇ~」ブリブリ

僧侶「なんかー、最初はあんたのそういうぶりっ子嫌いだったんだけどさー」

魔法使い「へっ」ビクッ

僧侶「でもー、いつの間にかそれで和んでたw いーよもっとブリブリしてなw」

魔法使い「ぇへへ(/ω\*)」

53: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:04:37.21 ID:GBq03f2U0
僧侶「あー今の本気の照れ顔でしょw ぶりっ子顔じゃないw」

魔法使い「もぉ~僧侶さんったらぁ~」ブリブリ

僧侶「かわいいなぁwww」

魔法使い「もぉからかわないでくださいよぉ~」ブリブリ

54: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:05:12.54 ID:GBq03f2U0
<宿屋にて>

勇者「それにしても、引きこもってた時は外に出るの怖かったけど、一回出ちゃえばなんてことなかったなぁ」

勇者「最初はどうなることかと思ったけど、仲間もみんな意外といいやつらだったし」

勇者「あれ?なんだこの花瓶 花はすっかり萎れてる」

戦士「勇者殿、そういえば前回花が咲いた時のことをおぼえてござるか?www」

勇者「ああ、覚えてる 俺が引きこもるちょっと前のことだったし」

戦士「モンスターが現れるようになってから、不定期に、しかもほんの数分しか花が咲くことはなくなってしまったそうですからねえwww」

55: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:08:58.51 ID:GBq03f2U0
僧侶「ただいまー」

魔法使い「見てください似合うでしょぉ~」ブリブリ

勇者「おお・・・」

戦士「ヌホォwwwww拙者萌死んでしまいそうであるwwww」

僧侶「ちょ、何見てんのよ」

勇者「いや・・・意外と・・・」

僧侶「なに」

勇者「胸がある」

ガシュッ

56: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:13:26.22 ID:GBq03f2U0
<フィールドにて>

戦士「この先、広大な沼地に出るはずwww そこを抜けると小さな集落があり、そこでは優秀な武器作られているとのことwwwウヒョォwww」

魔法使い「でもぉ、そこってたしかカエルのモンスターがいっぱい出るんじゃ・・・」

僧侶「!?」

勇者「どうした僧侶気分でもワルイノカ?」ニヤニヤ

57: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:14:11.44 ID:GBq03f2U0
<カエル沼地>

カエルモンスターが現れた!

勇者「うりゃっ」ザシュ

戦士「フヌゥwww」グムンッ

魔法使い「あなたの心も痺れちゃえ♪ 電気魔法~」ビリビリ

僧侶「きもいきもいきもいきもいきもいきもいきもい」

58: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:16:46.07 ID:GBq03f2U0
勇者「なんだ僧侶、カエルが苦手ダッタノカーwww」ニヤニヤ

魔法使い「わぁ僧侶さんの可愛いところみっけ♪」

戦士「いやぁそれにしても何故拙者はいつも発見してしまうんだろうかwwwwwあれはwwwコポォwww」

僧侶「!!!!!!!」

巨大カエルモンスターが現れた!

60: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:19:44.89 ID:GBq03f2U0
勇者「・・・・・やっぱりでか」

戦士「ウヒョォwww 今の拙者ならきっとwww」

魔法使い「うぅう頑張りますよぉ~」

スタッ

僧侶「勇者・戦士に攻撃力最大増加、魔法使いには魔力最大回復&魔力増加、同時に全員の体力を回復、そしてウチの回りに結界」

勇者「ちょ、え、お前すごい」

ドカッメリッドンッゴゴゴゴゴッ

61: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:20:21.24 ID:GBq03f2U0
巨大カエルモンスターを倒した!

勇者「はぁ・・・はぁ・・・なんとか倒せたか」

戦士「やはり拙者たちは強くなっているのであるwwwwwウヒョォwwww」

魔法使い「痛たたぁ。。。 でもみんな怪我が・・・」

僧侶「ほら、中回復魔法 やっと生きた心地がするよ マジキモかったー」

戦士「ヌヌ! 前方に目座す集落が見えてきたでござるよwwww」

63: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:26:02.38 ID:GBq03f2U0
<集落にて>

勇者「全員の武器が強化できたな」

戦士「フォオオオオwwwwww 拙者のヲタ魂に火を灯すものばかりでござったwww」

魔法使い「武器のことはよくわかんないけどぉ、この帽子お洒落ぇ♪」

僧侶「この数珠も綺麗・・・魔力も感じるし、ここの人たちいいセンスしてるー」

女性「ほら、そろそろ晩御飯の時間よ、おうちに帰りなさい」

子供達「はーーーい」

勇者「・・・母さん、今度帰ったらひさしぶりに話してみようかな」

64: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:28:41.87 ID:GBq03f2U0
<フィールドにて>

勇者「さて、次は俺が最も楽しみにしていた街だ」

戦士「カジノにバー、遊園地にゲームセンター、映画館、レストランと数え役満ですなぁブヒィwww」

魔法使い「わぁぁ楽しみぃ♪」

僧侶「つーかー、モンスターだらけの世界でよくその街だけ賑わってるよねー」

戦士「その街には優秀な騎士団が配備されていて、守りも強固らしいですねぇウヒヒwww」

65: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:35:25.69 ID:GBq03f2U0
<第4の街にて>

勇者「遊ぶぞぉおおおおおおお」

一同「おぉおおおおおおお」

勇者「ひゃっほーーーい、絶叫マシーンは爽快だぜぇ」

戦士「クポォォォwwww これですねwww このレトロ感溢れるものから最新式のものまで揃ったゲーセンキタコレですねwwww」

魔法使い「可愛いアイドルさんがいっぱいでてる映画だぁぁ♪☆彡」

僧侶「ちょーリラクゼーション マジきもちいいんですけどー」

マッサージ師「ぐへへ触り心地のいい客ですなぁ」ハァハァ

66: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:36:29.09 ID:GBq03f2U0
ひとしきり後

勇者「さぁてそろそろ宿・・・ホテルに行くか」

戦士「そうそう、ここで宿屋なんて言ったら田舎者丸出しでござんすなぁヌホォwww」

魔法使い「僧侶さんはぁ、さきにホテルでマッサージ受けてるみたいですぉ~」

67: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:38:33.51 ID:GBq03f2U0
<ホテルにて>

僧侶「とんだ  マッサージ師だったー気持ちよかったけどマジさいてー」

勇者「あれ?4人部屋でよかったのか?ここは仕切りとかできないぞ」

僧侶「しょーがないじゃん、ここ高いんだし」

戦士「クポォォォwww 野宿の時も拙者と勇者殿はテントの外に追いやられていたというのにまさかのwwww」

魔法使い「勇者様もぉ戦士くんもぉ襲ってきたりとかしないってわかったしぃ」ブリブリ

僧侶「別に、廊下で寝たかったらいいんだよ」

勇者「・・・どうも」

72: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:44:34.96 ID:GBq03f2U0
翌朝

勇者「さて、次の街へ向かうか」

僧侶「つーか、これ勇者の旅っていうより観光旅行だよね、完全に」

戦士「たしかにそうでありますなぁwwww」

魔法使い「あれ、ちょっといいですかぁ?」

73: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:45:28.21 ID:GBq03f2U0
騎士団員B「第一の街だったか?魔王の城から一番遠い街だってのに・・・」

騎士団員A「おい、ついに街ごと潰されたらしいぞ・・・」

勇者「!?」

戦士「ちょ、その話kwsk !」

騎士団員A「ん?あなた方は第1の街から来られた勇者御一行ではないか」

騎士団員B「詳しくは車の中で話しますので、ささ、お乗りなさい 辛いことかもしれないが、あなた方の故郷だ、見ておいた方がいいかもしれない」

僧侶「・・・」

魔法使い「それってもしかして。。。」

74: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:48:45.74 ID:GBq03f2U0
騎士団員の計らいにて、騎士団の車で故郷の第一の街へと向かう一行

戦士「フヌゥ どうなっていることか・・・」

僧侶「・・・」

魔法使い「えぐっ。。うぅ。。。」グスン

勇者「・・・母さん」

騎士団員「見えてきた・・・うわ・・・これは酷い」

75: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:52:01.99 ID:GBq03f2U0
<第1の街にて>

勇者「・・・」

戦士「・・・」

僧侶「・・・」

魔法使い「グスッ・・・うぅ・・・」

騎士団員「人の姿が見えないな・・・建物も大半が崩壊している」

騎士団員「・・・私は車で待機していよう」

77: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:55:59.28 ID:GBq03f2U0
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78: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:56:51.88 ID:GBq03f2U0
勇者「みんな、バラバラに走っていったな」

勇者「それぞれ、大切だった場所に行ったんだろうな」

勇者「うわぁ懐かしいなこの公園 ガキの頃よく遊んだなぁ」

勇者「ここのラーメン屋、うまかったよなぁ」

勇者「全部ブッ壊れちゃったんだなぁ」

勇者「ここも・・・だよな」

勇者「母さん・・・」

ガラ ガラ

勇者「母さん! 母さん!」

ガラッ ガラッ

一心に瓦礫をかき分ける勇者

?「母さんは、もうそこにはいない」

勇者「!? 親父!!」

80: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:58:50.09 ID:GBq03f2U0
勇者「親父、どういうことだよ、母さんどっかに非難してるのか?」

勇者父「・・・いや」

勇者「じゃ、じゃあ・・・」

ガクッ

勇者「お、俺、今度帰ったら母さんと話すって・・・くそぉおおおお!!」

勇者父「人は失った途端、そのものの大切さ、価値がわかるのだ」

勇者父「手に届くところにあったありがたみが、二度と触れることができないと知って」

勇者父「話は変わるが、お前たちは魔王の城を目指しているのか?」

81: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/12(火) 23:59:56.02 ID:GBq03f2U0
勇者「なんだよそれ・・・魔王ってなんだよ! そんなの今は関係ないだろ! 母さんが死んだってのに、なんでそんなに淡々としてるんだよ親父・・・」

勇者父「この街を壊滅させたのが、魔王の手下たちだ モンスターよりも知能がある魔物で構成された軍団だ」

勇者父「遊び歩くのもよし 現に任務を放り出して行楽に走る一行も多い」

勇者父「逃げるのもよし 誰かが魔王を倒して平和な世界が訪れるのもいいだろう」

勇者父「だが挑むのはやめておけ」

勇者「なんでだよ! ぶっ殺してやりたい、敵を打ちたいよ!」

82: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:00:57.97 ID:GBq03f2U0
勇者「・・・そうだよ、親父たちの一行はどうなったんだよ」

勇者父「逃げ出した」

勇者「!?」

勇者父「魔王との戦いの最中、俺たち一行は逃げ出した」

勇者「くっ・・・」

勇者父「魔王は強い 未だかつて、魔王を完全に倒したものはいない」

勇者父「お前たちはそもそも旅の目的すら知らずにいたのだろう それでいい 辺りのモンスターを倒し、方々の街を助け、遊び、危なくなったら逃げる それでいい」

勇者父「そのままの旅を続けろ」

83: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:02:21.26 ID:GBq03f2U0
勇者「ちょ、待てよ」

勇者「なんでだよ、なんでそんなに冷たくなっちゃったんだよ」

勇者「親父は怠け者で、優しくて、どうして・・・」

戦士「勇者どのぉぉぉ」

一陣の風が吹き、目を塞いでいるあいだに勇者父は消えていた

84: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:08:58.68 ID:U5eGx7Yw0
戦士「勇者殿、あの方は・・・ものすごく強そうなオーラが溢れ出さんばかりでござったがヌホォ」

勇者「・・・親父」

勇者「この街をこんなにした、元凶の前から逃げ出した親父」

勇者「でも、俺はそんな親父も罵れない」

勇者「母さんに酷いこと言ったままだった・・・」

勇者「ごめん・・・」ボロボロボロ・・・

戦士「・・・」

勇者「ごめん・・・・・」

85: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:11:50.97 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「騎士団の人には行ってもらったよー」

魔法使い「ほとんどの住人は街外れの丘に非難してたそうですよぉ」

戦士「魔法使いタソ、実は・・・」

勇者「いいんだ」

勇者「よかった、ラーメン屋のおじちゃんも、道具屋のおばちゃんも、酒場のマスターも、みんな無事だった?」

魔法使い「はぃ、皆さん無事でしたぁ♪」

僧侶「・・・勇者ちょっと」

86: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:14:38.75 ID:U5eGx7Yw0
勇者「どうしたんだよ、二人きりになって このタイミングで告白じゃないだろうなwww」

僧侶「・・・してもいいけど、それウチかなりKYじゃん」

僧侶「お母さん、ダメだったの?」

勇者 コクリ

僧侶「そっか」

勇者「・・・」

なでなで

僧侶「無理すんなよー あんたはウチらの勇者なんだからさ なんでもぶつけてこいし」

勇者 コクコク

戦士「ヌホォwww 勇者殿と僧侶さんがwwwww」

魔法使い「えぇぇちょっとどういう展開ですかぁ~?」

87: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:18:25.37 ID:U5eGx7Yw0
勇者「魔王に挑むには、俺たちはまだまだ弱い そもそもこんなモチベーションで修行してたらダメだ」

勇者「親父は・・・そばで話して感じたけど、ものすごく強くなってた それでも逃げ出さなきゃならなかった」

戦士「勇者殿のお父上が持っていた刀、あれは伝説の魔獣を屠った名刀・八岐大蛇に違いありませぬ その刀をもってしても倒せぬとはウヌゥ」

魔法使い「頑張りましょう! わたしたちの故郷をこんなにした人たちなんて、やっつけてやりましょぅ!」

僧侶「遊び歩く旅にも飽きてきてたしねー そろそろマジでやってみようかー」

歩き出した4人の顔は、以前この街を旅立った際とは別人のようであった

88: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:23:19.79 ID:U5eGx7Yw0
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89: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:23:50.99 ID:U5eGx7Yw0
二ヶ月後

<とある小さな村にて>

村人A「魔王の軍団がきたぞー!!」

村人B「女子供を守って逃げろー!!」

ウマのモンスターに乗った魔物の軍勢

魔物「一人残らず片付けろ!」

ザシュッッッ

魔物「う・・・なに・・・」

ドゴォォォォ

魔物「うわぁぁぁぁ」

90: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:24:21.04 ID:U5eGx7Yw0
勇者「行くぞ、戦士!」

戦士「コポォォォwww 拙者に続くであります!www」

魔法使い「あなたのハートも燃え上がれ! 火炎大魔法!」

僧侶「けが人はこっち! 怖がってないで早く来いって! めんどくせーな全体回復大魔法」

91: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:25:06.93 ID:U5eGx7Yw0
村長「あなたがたのおかげで助かりました、ありがとうございます」

村長「なんと、あなたがた勇者御一行でしたか!」

村長「最近は観光気分で各地を巡る一行も多いと聞きますが、あなたがたはご立派だ」

村長「どうぞ、ごゆっくり疲れを癒していってください」

92: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:27:02.69 ID:U5eGx7Yw0
勇者「魔物の軍団はなんとか倒せるようになったな」

戦士「毎日死に物狂いで修行した甲斐がありましたなドゥフフwww」

魔法使い「いろんな街の魔道士さんに魔法を教えてもらいましたけどぉ、もうわたしに教えることはないって言われちゃいましたしぃ」

僧侶「・・・ちょっと、さっき亡くなった人たちの為に祈ってくる」

93: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:28:01.11 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「まだ、全員を守れるくらい強くはなかったんだよねー」

僧侶「ぶっちゃけまだまだっていうかー」

僧侶「守れなかった人の魂がちゃんと成仏できますように」

僧侶「あとー、もっとウチらが強くなれるよう見守っててください」

ウフフッ

僧侶「?」

村の女「面白いお祈りね」

村の女「でも、ありがとうございます」

村の女「わたしも、あなたがたが無事に旅を終えることができるようお祈りしています」

99: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:35:13.34 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

勇者「次の街が、魔王の城から一番近い場所だ」

勇者「俺たちのレベルはだいぶん上がっているが、少しの経験値も無駄にしないように進もう」

勇者「途中、モンスターや魔物に襲われている人を見つけたらすぐに救助」

勇者「それじゃあ、出発だ」

100: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:36:08.66 ID:U5eGx7Yw0
<第5の街>

勇者「ここは・・・」

魔法使い「病院や老人ホームが多いですねぇ」

バーン

看護士「ちょっと男さん、暴れちゃだめ!」

回復医「精神安定魔法!」

男「うわぁぁぁぁ俺は魔王を倒したんだぁぁぁ!!!」

101: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:37:11.07 ID:U5eGx7Yw0
勇者「あの、さっきの人は・・・」

看護士「ああ、男さんね この病院は精神を病んでしまった方のためにあるのだけれど」

看護士「男さんは10年も前のある日、ふらっとこの街にやってきたの」

看護士「それで、俺は魔王を倒した!って宣言したのよ」

看護士「男さんがあんまりにも誇らしそうにしていたのと、その日の明け方に縁起よく花が咲いたのもあって 」

看護士「街全体で宴を催したのよ でも次の日にはモンスターもいつもどおり、街の外を歩き回っていたわ」

看護士「街の人たちは男さんを激しく罵ったわ 嘘つき!って この街、モンスターの被害を特に受ける街だから・・・」

看護士「みんなの落胆の矛先が、男さんに向いたのね」

102: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:38:42.69 ID:U5eGx7Yw0
看護士「それから、男さんはだんだんと精神的に不安定になっていった」

看護士「今では、こうして日に3度は精神安定魔法をかけないと暴れだしてしまうわ」

勇者「・・・」

勇者「さっきの話、どう思った?」

魔法使い「んー皆さん酷いと思いませんかぁ? あの男の人のおかげで、少なくとも一日は皆さん楽しんだんじゃないですかぁ」

戦士「でも、ぬか喜びさせられたと思ったのかもしれないでござるなぁ街の住人は・・・ドヒュ」

僧侶「・・・」

103: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:39:50.06 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

僧侶「・・・思ったんだけどさー」

僧侶「あの男の人、ほんとに魔王倒したんじゃね?」

戦士「でも、次の日にはモンスターは歩き回っていたとのこと・・・ヌフゥ」

僧侶「でも、誰もあの人が魔王と戦ったとこみてないんでしょー」

勇者「・・・花」

魔法使い「勇者様ぁ、花がどうしたんですかぁ?」

104: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:42:47.48 ID:U5eGx7Yw0
勇者「俺ら、花ってモンスターが現れる前はずっと咲いてたもんだって習ったよな?」

勇者「つまり、魔王が現れてからだ 魔王がいるから花が咲かないんだとすれば」

勇者「ほんの一瞬でも、魔王がいる限り花が咲くことはないよな?」

勇者「逆に、ほんの一瞬でも魔王が死んでいれば、花は咲くんだよな?」

勇者「あの男の人が街に来た朝、花が咲いたんだろ?ということは・・・」

勇者「あの男の人は確かに魔王を倒したんだ!」

105: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:43:24.34 ID:U5eGx7Yw0
戦士「しかし、モンスターや魔物は現にこうしている分けですしおすし」

魔法使い「それにぃ、魔王が現れたのは何十年も前ですしぃ、それから何度か花は咲いてますぉ~?」

勇者「それは・・・」

僧侶「つーかー、あんまし考えたくはないんだけどさー」

106: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:44:28.01 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「魔王が死んだあと、誰かが生き返らせてるんじゃねー?」

僧侶「だからー花もすぐ咲いて萎れるし、モンスターもまた現れたんじゃねー?」

勇者「・・・それか、魔王が自分で生き返るかどっちかだよな」

戦士「ヌホォwwwそれってどう考えても無理ゲーなのではwwwww」

魔法使い「どうやっても勝てませんよぉ」

107: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:45:18.07 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「実際、戦ってみないとわかんないよねー」

勇者「俺たちが魔王を倒して、確かめるしかないか」

戦士「コポォwww 明日にはハッキリするんでござるよwwww」

魔法使い「うぅぅ。。 急に不安に・・・でもわたしは皆さんを信じますよぉ!」

勇者「よし、今日はもう寝よう 明日に備えてな」

109: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:46:36.16 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の城門にて>

魔物「ぐはは、人間どもが来よったぞ」

魔物「自ら殺されにくるとは哀れな人間どもよ」

戦士「コポコポォwwww ついに出陣でござるなwwwww」

魔法使い「負けませんよぉ~ ちょっとは手加減してくださいね」ブリブリ

僧侶「神様ぁー、ウチらのこと見守っててください もしよかったら力かしてくれるとチョー助かります」

勇者「・・・行くぞ!」


111: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:49:17.18 ID:U5eGx7Yw0
魔物「ぐわぁぁぁ」

魔物「ぎょえええ」

勇者「あまり体力は使わずに、魔王戦に温存しておこう!」 ガシュッ

戦士「了解でありますwwwwwヌフゥwww」 ドガッ

魔法使い「全員相手にしてたらキリがないですもんねぇ」

僧侶「なんかー偉そうにしてるやつが見えてきたー」

112: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:49:58.51 ID:U5eGx7Yw0
魔物リーダー「フフフ・・・久しぶりに骨のある勇者一行が来たようですね」

魔物リーダー「相手をして差し上げましょう」

魔物リーダーは呪文を唱えた!

勇者たちの足元に影が広がった!

勇者「なんだこりゃ!?」

戦士「影から手がwwww ヌホホォwww」

魔法使い「やぁん。。変なとこ触らないでくださいぃぃ」

僧侶「!! 早く振りほどいけ! その手、多分体力吸い取ってる!」

113: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:50:49.35 ID:U5eGx7Yw0
魔物リーダーは呪文を唱えた!

勇者たちの頭上に漆黒の球体が現れた!

戦士「こんどは上でござるかwww」

魔法使い「なになになにぃ。。。」

114: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:51:27.18 ID:U5eGx7Yw0
勇者「っっ避けろ!!!」

球体から光線がほとばしる!

「うわぁぁぁぁ」

僧侶「仲間全体に結界を展開! 勇者と戦士に攻撃強化!」

勇者「助かった、行くぞ戦士!」

戦士「任されよwww ポォォwwww」

勇者の攻撃! 魔物リーダーに120のダメージ!

戦士の攻撃! 魔物リーダーに138のダメージ!

115: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:52:02.21 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「今ですねぇ!! あなたの視線を独り占め! 光魔法大!」

魔物リーダー「ぬわぁぁぁぁぁぁぁああ」

魔物リーダー「はぁ・・はぁ・・ なかなかやりますね・・・」

魔物リーダー「しかし、我々は魔王様がおられるかぎり何度でも蘇る」

魔物リーダー「新たな魔物やモンスターも日々生まれている」

魔物リーダー「いずれ、近いうちに我々がこの世界を収める日がやってくるだろう」

勇者「そうならないために、俺たちは来たんだ」

116: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:52:53.46 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の部屋>

魔王「ニンゲン・・・キタ・・・」

勇者「・・・これは・・・ドラゴン!?」

僧侶「禍々しいっていうかー、やばい感じだよねー」

魔法使い「すごい殺気が満ち溢れてますよぉ。。。」

戦士「フヌゥ・・・コポォ・・・魔法使いタソは拙者がお守りいたすぅ・・・」

117: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:53:58.09 ID:U5eGx7Yw0
魔王「ニンゲン・・・コロス」

魔王は立ち上がり、翼を広げた!

魔王の攻撃!

勇者「避けろ!!!」

ドゴォオオォオオオオオオオオオオオオオ

戦士「ヒョォォォォ一撃でこの威力でござるか!!!」

僧侶「驚いてる場合じゃないっていうかー、倒さないといけないんだしー」

魔法使い「そ、そうですよね。。。。 が、頑張らないと・・・」ブルブル

勇者「すぅ、はぁ・・・・よし!」

118: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:54:37.79 ID:U5eGx7Yw0
勇者は正面から魔王に斬りかかった!

勇者「うりゃぁぁぁ!!」 ガシュッ

魔法使い「最大雷呪文んんん!!」ピシャァァァァ ゴゴゴゴゴ

魔王「コロス・・・コロス・・・」 グワッッッッ

勇者「あぁああああ」

魔法使い「きゃぁぁぁぁああ」

僧侶「最大回復呪文!」

119: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:55:48.97 ID:U5eGx7Yw0
戦士「魔王さんwwww 拙者はこちらでござるよwwwッウヒョッツ」ドガァァ

魔王は振り向きざまに尻尾をなぎ払った!

戦士「ベヒィイイイイイイ」

勇者「戦士!!!」

僧侶「やば、回復が追いつかない!」

120: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:56:47.03 ID:U5eGx7Yw0
戦士「せ・・・拙者のことはいいでござる・・・魔法使いタソは・・・」

魔法使い「戦士くん! わたしは大丈夫!」

勇者「俺と魔法使いで魔王を引き寄せる! その間に僧侶は戦士の回復を!」

僧侶「りょーかい!」

124: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:58:04.81 ID:U5eGx7Yw0
勇者「魔法使い、あの階段を上って上から攻撃してくれ!」

魔法使い「わかりましたぁ! わたしの全力を一気に放ちますぅ!」

勇者「いくぞぉぉぉぉ!!」

勇者は魔王の足に斬りかかった!

「ニンゲン・・・ フミツブス・・・」

魔法使い「全魔力を使いますぅ! 星の力でお仕置きよ☆ 隕石魔法!!!!!」

ドドドドドドドドドドゴォオオオオオオオオオオオ

魔王「ギャァアアアアアアアアアアア」

勇者「やったか!」

126: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 00:59:25.10 ID:U5eGx7Yw0
魔王はどぉっと倒れ込んだ

僧侶「やった! マジさいこー!」

勇者「はぁ・・はぁ・・・」

魔法使い「もぉ・・・魔力切れです・・・」フラッフラッ

戦士「・・・・・危ない!! 魔法使いタソ!!!!!」

戦士は魔法使いを抱きかかえ思い切り飛び退いた

そのすぐ脇を魔王の腕がかすめていった

魔法使い「・・・戦士くん・・・ありがとうございますぅ・・・」

戦士「魔法使いタソは拙者がお守りいたすぅwwwwwwwヌフフゥ」

127: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:00:02.18 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「魔王、生き返るかなー」

魔法使い「・・・でも、今生き返られたらどうしようもないですぉ。。。」

勇者「とりあえず、覚悟は決めておこう」

?「その必要はない」

128: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:00:55.32 ID:U5eGx7Yw0
勇者「!!!親父! それに・・・」

勇者父「俺の仲間だ」

屈強なバトルマスターと長い黒髪の魔道士、メガネをかけた賢者が後ろに続いていた

勇者父「ご苦労だったな 最後に会った時とは見違えるように成長しているな」

勇者父「しかし魔王は倒せない 完全に倒した者はいないと言っただろう」

勇者「それってどういう・・・」

勇者父「とにかく、ご苦労だった お前たちの役目はここまでだ」

129: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:01:40.03 ID:U5eGx7Yw0
黒髪の魔道士は右手を掲げた!

戦士と魔法使いを藍色の光が包み込み

跡形もなく消し去った

勇者「お、おい!!!!!!!」

僧侶「もしかして、魔王を生き返らせてるやつって・・・」

再び魔道士は右手を掲げた!

勇者「親父ぃぃぃっぃぃ!!!!!!」

130: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:02:40.51 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「勇者・・・」

勇者「!?」

僧侶「なんていうかー。ありがと」

僧侶「楽しかったよ」ヘヘッ

僧侶は勇者の頬に口付けをした

僧侶「げんきでなー」

バッ

藍色の光が二人を包んだとたん、僧侶は勇者を押し飛ばした

僧侶は跡形もなく消え去った

131: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:03:34.81 ID:U5eGx7Yw0
勇者「くそぉおおおおおお!!!!!!」

勇者は猛り狂い、斬りつけた

勇者父はわずかに刀を抜き、平然と攻撃を受け止めた

勇者父「お前に頼みがある」

勇者父「これが導く場所に迎え」

勇者父「真実にたどり着いてくれ」

132: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:04:32.68 ID:U5eGx7Yw0
勇者「なんだよそれぇ・・・・なんなんだよぉ・・・・!!!」

泣きじゃくりながら剣を振り回す勇者の腕をひょいと掴むと、勇者父は何かを握らせた

いつの間にか、勇者の周りを藍色の光が包み込んでいた

勇者「親父ぃぃぃぃ!!」

藍色の光の向こうで、ゆっくりと魔王が起き上がるのが見えた

勇者父「・・・・・すまんな、勇者」

133: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:05:18.88 ID:U5eGx7Yw0
ふっと目を覚ますと、勇者は広い草原の真ん中に寝転んでいた

右手には綺麗な白い石

見渡すと一面に色とりどりの花が咲き誇っていた

花々は三日三晩咲き誇った

そして三日目の晩、名残惜しそうに萎れていった

いつか永遠に咲き続ける日を夢見るように

134: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 01:06:11.31 ID:U5eGx7Yw0
この冒険の勇者一行

・引きこもり勇者

・ヲタク戦士

・ギャル僧侶

・ブリッコ魔法使い

第一章 <完>



母「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」
妻「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」
英雄「雨も止まないし掃除でもするかな」

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